次のようなキャッチが探そうとするまでもなく、至る所で目につきますね。
一昔前からのことですが手を変え品を変え、途切れることがないです。↓
一面こうした努力には敬意を払いたいです。WWW
「○○週間でペラペラに」
「聞いてるだけで分かる」
「××という方法であっという間に上達した」
エトセトラ。
ですが、
「これって本当なのか?」
という疑問が誰でも湧くのではないかと思います。
今回は自分の英語学習の経験をベースにおいて、この点についてお伝えしてみましょう。
「聞くだけ」「あっという間」で上達を鵜呑みにするのはリスク満載?
これについて、もともとフツーの日本人レベルの英語力しか無く、何かと余分な苦労まで重ねて何とかTOEICを900点超えた自分の意見ですが。
-結論-
はい、確かにできると思います。
ただし!
《条件》が必要です。
ナニその条件というのは?
というわけで、以下は私の個人的な見解になります。
そもそもこうしたキャッチ、
「○○週間でペラペラに」
「聞いてるだけでわかる」
「××という方法であっという間に上達した」
という『現象』を実現させるためには、
「かなり」というレベルの切り詰まった条件が必要かと考えるべきでしょう。
なぜかというと、私たちはふつう中学高校、そして大学と英語を勉強していますが、それで英語がみるみる上達、という経験をした方、一体どのくらいの割合で存在するでしょうか?
近年は小学校高学年での学習も加わりますから、かれこれ10年くらいは英語を学んでいるはずです。
その学習内容の中で、果たして英語を「聞くだけでわかる、上達する」?
ついでにいえばそれだけの作業で「単語がわかる」「文法もわかる」?
白紙状態で英語学習をスタートして、ここまで到達できる人は天才でしょう。
よって、こういう話を鵜呑みにするのは、まず相当なリスクを覚悟すべきです。
あまり引き合いに出すべきではありませんが、私の高校時代の友人が、そういうキャッチにはまってしまったためなのか、高額の英語教材を買ってしまい、後で苦労することになっていました。
そのいきさつは下、私のKindle電子書籍「国産ニッポン英語 それでもTOEIC900点!」にも書いたとおりです。
ふつうの人がキャッチの通りに上達するには何が必要?
ならそういうキャッチのとおりに英語力を伸ばせるとすれば、どんな条件が前もって必要になるのか?
上に書いたとおり、天才レベルの語学の才能があればまた別です。
また、ごく簡単な日常会話程度、二言三言(ふたことみこと)程度の会話能力くらいだったらできないこともないかも知れません。
でもそうでなく、英会話にせよ英語の読解力にせよ、もっと上のレベルを目指すのなら、他に特別な条件がそろわない限りはムリというしかないでしょう。
ですから、普通の語学能力をもつ人ならば、事前に何らかの語学に関連する条件を備えているはずです。
それがどんなものか?
ちょっと考えてみました。
まずその筆頭に来るのが単語力、文法力など基礎的な英語能力です。
ここでは単語力を考えてみることにしましょう。
まず、単語だけ考えると、英検2級レベルに必要な単語数は3000語、準一級レベルなら7000語。
TOEICでは目標とする点数ごとにばらつきがありますが、700点レベルを狙うとなると、最低でも4000語必要のようです。
単純に考えて、果たしてこれだけの単語数、どれだけの人が聞くだけで理解でき、ぺらぺらしゃべれるようになるでしょうか?
語学は辛い?キャッチに心が動いたら「眉につば」
少なくとも一定量の単語、一定レベル以上の文法力が無くては英語を見ても聞いても分かりません。
分かる場合もありますが、それはどういう場合かというと、帰国子女や英語が母国語の国に長らく滞在している人たちなど、長年英語に親しんで、元々のレベルで英語を
「自分が普通に使う言語」
として利用している場合です。
この辺は誰でも十分に察する事ができるでしょう。
要するに、我々が日本語を話しているのと同じく、基本理屈抜きで理解し運用できるという場合ですね。
ですが一般の日本人の場合とは違うので、ひとまずこれは除外します。
ということで、語学の学習は本当に一見「遠回り」的な、時間と労力のかかる学習になりますし、だからこそ我が日本国内でも、文科省というお役所が子供たちに長期間、英語の学習を義務づけていたりするわけです。
英語を含めて、語学の学習はなかなか甘くない、辛い、苦い。
それが真理と言えるのではないでしょうか。
もちろんそれでも学習するのが楽しいと思う方たちも多いです。
私なども下手の横好きで、ある意味普通の人たち以下の不器用な学習を続けてきましたし、鈍感なせいかそれでも英語がイヤになるということもなかったワケなので笑
ですから、逆にこうしたキャッチのように、それを“ものすごく簡単に達成できる”などのフレーズを見かけて「これって良いかも?」みたいに心が動きかけたら、眉につばを付けて一呼吸。冷静になっておくこと。
それが一番無難だと思います。
語学の基本の単語力を伸ばすだけでも大変な労力が?自分なりに学習の工夫を
で、話を戻して、単語の話を出したので、続けてみましょう。
繰り返しますが、まず語学の基本は単語力になりますので、まずこれを習得しておく必要があります。
上の通り、本当にごくごく簡単な日常会話レベルの英語力ではなく、その上を目指すならば、時間はかかってもの単語力を伸ばし、より多くの単語を習得する必要があります。
「記憶」ではありません。「習得」です。
「記憶」ももちろん必要ですが、それを「高度に運用する」ために行う努力、それが「習得」と私は言っています。
単語や意味、文法や発音など、基本的なその〇〇語の必要事項を「記憶」し、その記憶の上に、その〇〇語を自在に操れるようになること、つまりこれが「習得」ですが、その習得が成り立つというわけです。
一方その「記憶」も、レベルによっては浅い、深い、があります。
その中でも一番浅いのはいわゆる「棒暗記」。
中学高校生が定期テスト対策でおなじみです。
一晩かけて、真っ四角にその文言そのまま覚えていればいい。
場合によっては意味や理論など分からなくてもOK。
点数取れればGJ。
そしてテストが終わったら忘れていい(というか、必ず忘れる!)。
で、深い記憶はそれを長期的に覚えていて、しかも任意の事案に対して臨機応変に適用改変することが出来、それがしかも適切になし得ること。
これだけでも十分ですが、私はこれの上に
「普段我々が使用している日本語のレベルとかなり近いレベルまで瞬時の運用、適用ができる」
ものを「習得」として加えています。
要するに、ネイティブの外人と会話でも作文でもそれほどに支障なく自在に活用できること。
実はこれだけでも大変な労力です。
だから、思うのですが英語の学習というのは、学習自体が楽しいと思えない限り、なかなか長続きはしなくなるはずです。
よって、学習を楽しくするために自分なりに工夫する必要もありますし、より効率的な学習方法を模索する努力も欠かせません。
キャッチ通りの英語力を実現する人は元々英語力の素養が?
そしてまた、このような語学習得の大変さを振り返ってよくよく考えてみれば、もしも数あるキャッチ、
「○○週間でペラペラに」
「聞いてるだけで分かる」
「××という方法であっという間に上達した」
という行為を実現できるとしたら、その前提条件として、そういう人が本当にいるとすれば、
「これらが実現できうるための条件が、かなり整備されていた」
とか、裏が必ずあると推測できるでしょう。
要するにそんなあっと驚く減少の場合、当然のこととして
『前もって「習得」レベルの英語の素養がどこかで養われて
いなくてはならない』
というわけです。
そしてこういうキャッチフレーズをタテに、教材や講座を売り込む側としては、
『そのような人がいる、そしてそういった人たちのみを集めてこうした作業をやらせてみた場合ならば、こうしたキャッチは確かに真実であり得る』
というわけですね。
当然のことながら。
こうしたキャッチに目を引かれ、そして
「『誰でも/どんな人でも』これをやればちゃんとペラペラになれるんだ」
という風に普通の人ならば考えてしまう。
しかし、ひとまずは自分個人の意見としておきますが、現実はそこまで甘くはないかと・・・・・・
しかも、これも私のKindle自著「国産ニッポン英語それでもTOEIC900点!2」で触れていますが、私のように様々に英語学習で悪条件が見られたり、また学習方法を誤ってしまうことも視野に入れておかなくてはなりません。
キャッチの通りに語学学習が実現できれば真っ先に「あそこ」が飛びつく?
そういうわけで。
単語の習得を中心にとりあげて、語学の学習の難しさをお伝えしてみました。
英語の学習はけっこう楽しい面もありますし、目にもスマートに映ることも多いです。
その一方で、単語一つとってみても、上に書いたような「習得」レベルを目指す努力は必要になります。
そして付け加えますと、「習得」はおろか、「深い記憶」を実現したい場合であっても、どれほどの時間、労力が必要かは
推察できると思います。
よく考えれば「浅い記憶」だけでも大変ですからねWWW
で、こうした語学の習得が大変だという『実態』は、日本国のお役所、官庁レベルならば先刻承知だろうと思います。
イヤと言うほどに知っていると思いますけど。
明治維新以後、多くの識者が血眼になって英語の学習方法を模索し、
それが文科省の英語教育となって今に至りますので。
だから、もしもですね。
上のような(またコピペW)
「○○週間でペラペラに」
「聞いてるだけで分かる」
「××という方法であっという間に上達した」
という方法が真実『万人』に対して真であり保証できるのであれば、文科省が泣いて喜びます。
そして、すぐに飛びつくと思います、絶対に!大爆
きっとこれらのプロジェクトには莫大な補助金ももらえることだと超爆
でもそれって、まったくないワケですよね、今のところ?爆爆
最後にまとめますと、くどいようですが、このキャッチコピーは「事実」だろうと思います。
ただし、そういうわけで恐ろしくデリケートな『条件付きの』事実といえると思います。
で、またこれもくどいですがあくまでも私個人の意見そして信条として、このように持論として加えたいと思います。
『英語の学習に近道はないが、正しい方法はあります』
お粗末様でした。m(_ _)m
(初投稿 2017年6月)
(改訂 2021年03月03日「ひな祭り」)